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症状別治療方針:皮膚

犬と猫の毛周期

毛周期(ヘアサイクル)とは?

 毛包には成長期、退行期、休止期という毛周期(ヘアサイクル)が存在します(図)。また、毛の一番下の球状になっている部分を毛球、その毛球の底のくぼみに毛乳頭があり、毛乳頭は毛に血液や栄養を提供する働きをしています。そして毛乳頭から栄養をもらい、その上部にある毛母細胞と呼ばれる細胞が分裂することで毛は成長します。
 毛周期の成長期とは、その名の通り毛包で毛母細胞が活発に分裂し、毛が成長している時期のことです。そして休止期とは、毛乳頭が萎縮し毛球部分が上方に移動し毛の成長が停止した時期であり、その後に脱毛する脱毛期があります。また、退行期とは成長期と休止期の間に位置する移行期で、毛乳頭が毛母と離れて下方へ移動し、毛母細胞が上方へ移動する時期のことです。
 毛周期の活動は、毛包の立毛筋付着部の下方にある毛隆起(バルジ)と呼ばれる部分を起点に始まります。毛包の上半分を”不変部”、下半分を”可変部”と呼び、毛包の下半分はアポトーシス※とその後の新生によって劇的な変化が起きます。また、”不変部”でも実際には、毛の成長中にリモデリング(作り直すこと)が起こっています。
※アポトーシス:プログラムされた細胞死のこと。代表的な例として、オタマジャクシからカエルに成長するときに尻尾がなくなるのも、アポトーシスの働きによるものです。

毛周期

図:犬や猫の毛周期(ヘアサイクル)


毛周期(ヘアサイクル)に影響を与える因子

 毛周期は光周期、周囲の気温、栄養、ホルモン、一般健康状態、遺伝そして体内の調節因子によって調整されています1)。体内の調節因子には、成長因子や毛包と毛乳頭そしてその近くの他の細胞(例:リンパ球、マクロファージ、線維芽細胞、肥満細胞)によって産生されるサイトカインがあります(表)。
 哺乳類は子供から大人へ成長するに従って被毛に大きな違いが生じますが、その違いは温度調節やカムフラージュ、そして社会的ないし性的なコミュニケーションの必要性の違いを反映していると考えられています。
 被毛は季節の影響を受けて生え変わります。これは視床下部、下垂体そして松果体などでの種々のホルモン(メラトニン、プロラクチンそして性腺、甲状腺、副腎由来ホルモン)が光周期の影響を受けて調整されることにより、本来の毛周期が変わり季節的な変化が生じます。光周期とは、1日の明暗のサイクルのことです。
 犬や猫の毛の生え変わりは、モザイク状であると言われます。その理由は、いつでも近接する毛包が異なった毛周期に入っているためです。
 被毛の成長は主に光周期に支配されており、周囲の温度の変化にもわずかながら影響を受けます。北米やカナダそして日本でも、春や冬に犬や猫の毛が顕著に生え変わります。毛包の活性すなわち毛の成長は、夏に最大で冬に最小です。例えば休止期毛の割合が夏には50%程度でも、冬には90%に増加するかもしれません。そして、室内飼育のラブラドールレトリバーで、毛の成長率と成長期/休止期の比率を調べたところ、季節を通して80%以上が休止期であり、季節による有意な差が見られなかったとの報告があることから、飼育環境もこれに影響を与えると思われます2),3)。さらに照明のある室内飼育の犬や猫の多くは、年間を通してたくさん毛が生え変わることがあります。なお、退行期の割合は毛周期全体からすると少なく、おおよそ4~7%を占めています。
 ちなみにヒゲ(Sinus hair)は、被毛と違い季節的に生え変わることはありません。

表:毛周期に影響を与える因子

カテゴリー 毛周期を促進 毛周期を抑制
ホルモン 甲状腺ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン
メラトニン
男性ホルモン(アンドロジェン)
成長ホルモン
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
女性ホルモン(エストロジェン)
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン
プロラクチン
上皮小体関連ペプチド
成長因子 線維芽細胞成長因子(FGF)-7
肝細胞増殖因子
インスリン様成長因子1
ソニック・ヘッジホッグ
角化細胞成長因子、WNTs、β-カテニン、TGF-α
神経成長因子
GDNF
表皮成長因子
FGF-2、FGF-5
脳由来神経栄養因子
神経栄養因子3,4
TGF-α
TGF-β1、TGF-β2
サイトカイン サブスタンスP インターロイキン(IL)-1、IL-6
その他 アクチビン
ノギン
フォリスタチン
シクロスポリン
ミノキシジル
フィナステリド
レチノイド(ビタミンA)
カルシトリオール(ビタミンD)
Muller and Kirk’s Small animal Dermatology 7th ed Table1-2 一部改変

犬の被毛の成長速度

 被毛の長さは犬種の特徴であり、遺伝的に決定されている長さが存在していると考えられています。プードルやオールドイングリッシュシープドックそしてシュナウザーなどの特定の品種は持続的に被毛が成長すると言われていますが、このような記述を実証する科学的な調査は、今の所存在していません。また、遺伝的に決定されている被毛の長さは、犬の体の場所によっても違いがあることがわかっています。そして被毛の成長速度は、その特定の場所における最大の長さが関連していると考えられています。それはある研究で、被毛の最大の長さが30mmの肩では被毛の成長速度は6.7mm/週で、同じく最大の長さが約16mmの額では、被毛の成長速度は2.8mm/週であったと報告4)されているからです。
 他の研究者が調べたところ、被毛の成長速度は、犬で0.04~0.18mm/日(グレイハウンド)と0.34~0.40mm/日(ビーグル)であり、猫での被毛の日々の成長速度は、0.25~0.30mm/日ないし62~289μg/cm2であったと報告されています1)


引用文献

1) Miller, W.H., et al. 2013. pp. 4-7. Muller and Kirk’s Small animal Dermatology 7th ed, Elsevier, St Louis.
2) Diaz, S.E., Torres, S.M., Dunstan, R.W., et al. 2004. An analysis of canine hair re-growth after clipping for a surgical procedure. Vet Dermatol 15:25-30.
3) Diaz, S.E., Torres, S.M., Dunstan, R.W., et al. 2004. The effect of body region on the canine hair cycle as defined by unit area trichogram. Vet Dermatol 15:225-229.
4) Gunaratnam, P., Wiklkinson, G. T. 1983. A study of normal hair growth in the dog. J Small Animal Pract. 24:445.

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